コラム:円安誘う安倍発言の賞味期限と落とし穴=佐々木融氏 | 外国為替 | 外国為替フォーラム | Reuters

安倍氏自身が本気で為替相場を円安に誘導するために日銀にプレッシャーをかけているのかどうかは定かではないが、同氏が主張するような金融政策をたとえ日銀に行わせることができても、少なくとも為替相場が中期的に円安方向に動くことはないだろう。

実際に物価上昇率が2%まで上昇したら為替相場は円安になるだろうが、1%を目途にしていても日本の10年国債金利は0.7%台である。つまり、市場は金融政策でデフレが解消できるとは全く信じていない。こうした状況で「2%を目標にする」と言っても、影響がない状況に変わりはないだろう。

率直に言って、日本がデフレを脱却するために必要なのは、金融緩和によって金融システムに溢れている資金を実体経済に流す、財政政策、構造改革、規制緩和、税制改革といった政府の施策である。こうした施策を政府が本腰を入れて行わないのであれば、いくら日銀が金融システムに資金を供給してもインフレにはならないだろう。

ちなみに、日銀今でも無制限の緩和を行っているようなものである。日銀は2011年以降の約2年間でバランスシートの規模を対国内総生産(GDP)比27%から33%まで6%ポイント拡大した。一方、米連邦準備理事会(FRB)は17%から19%の2%ポイントの拡大にとどまっている。それでもドル円相場は11年初めとほぼ同レベルで推移しており、円安にはなっていない。

現在発表されている双方の金融政策をもとに13年末の状況を推計すると、日銀のバランスシートは対GDP比40%前後まで膨らむ一方、無制限にモーゲージ担保証券(MBS)を購入するとしているFRBのバランスシートは20%強程度にしかならず、日銀のバランスシートの規模はFRBの倍近くなることが予想されている。

すでに日銀のバランスシートはFRB以上に汚いものになっている。

日銀の複雑な思いと「アコード」の意味 --- 長谷川 公敏 : アゴラ - ライブドアブログ

先進各国では既に政策金利が所謂「ゼロ金利」に近いため、中央銀行の金融緩和策は政策金利の引き下げではなく、主に「量的緩和策」になっている。そのため市場では、中央銀行による金融緩和の度合いをマネタリー・ベース(ベース・マネー)で見ている。

■マネタリー・ベースとは

マネタリー・ベースは現金通貨の残高と、市中金融機関の中央銀行への預金残高(当座預金残高)を合計したものだ。

まず現金通貨(日本では日銀が発行する紙幣と財務省が発行する硬貨)だが、基本的には経済成長に伴う需要の増加で増えるものの、クレジットカードなどの普及で現金需要は増えにくくなっている。

次に当座預金だが、当座預金は市中金融機関の預金残高に対応した準備預金と、市中金融機関の余剰資金の合計だ。このうち、準備預金は市中金融機関への預金の増え方が緩慢なのでさほど増えない。

一方、リーマンショックの後遺症で、押しなべて企業などの資金需要が低迷していることから、金融緩和策で中央銀行から市中金融機関へ供給されたおカネの大部分は、余剰資金として中央銀行の当座預金口座に積み上がることになる。

■量的金融緩和の効果

このように見てくると、マネタリー・ベース残高の増減は、概ね金融緩和に伴う市中金融機関の余剰資金動向に左右されることになる。もちろん、中央銀行による資金供給の増加は、政策金利の影響が及びにくい期間が長めの市場金利を押し下げる効果があり、景気を押し上げる心理的な効果もある。だが冷静に考えれば、資金需要がない中で、主に余剰資金を増やすことになる金融政策は、さほど意味がないように見える。

しかし繰り返すが、市場は中央銀行の金融緩和の度合いをマネタリー・ベースの増減(≒余剰資金の増減)で見ている。特に為替市場では、日本の「マネタリー・ベースの増え方が鈍い」ことを円高の理由にしているため、円高の悪影響が大いに懸念されている中で、日銀としては「意味がないので、金融緩和は不要」という立場は取りにくい。

 

 

 

 

 

 

 

資金需要がない状況で金融緩和をしても効果は弱いが、マネタリーベースが増えると市場は円を売りにかかるので、円安→製造業の復活、といった効果は期待できる。

エコノミック レポート(2012年11月14日 政権が代われば円安は進むか?)/マネックス証券

本日(11月14日)日経新聞、「安倍トレード膨らむか」という記事では、「安倍総裁が首相になる展開が視野に入り、長期金利が上昇する」との債券市場の観測が紹介されている。具体的には、政治が変わる局面で「財政規律が失われるとの懸念」が、悪い金利上昇をもたらす側面が強調されている。

ただ、8月8日レポート「政治の迷走と日本売り懸念」などでも述べたが、日本の財政規律を巡る思惑で、「金利だけ」が上昇する局面があってもそれは一時的な動きである。この記事が指摘する、安倍政権誕生で「金融緩和強化+緊縮財政(増税)先送り」となれば、日本の脱デフレが早まるシナリオが浮上する。つまり別の経路で長期金利に上昇圧力がかかり、そうであれば株高や円安も起きる。

さて、こうしたシナリオを察知しているお客様から、昨日のセミナーで冒頭に紹介した「自民党政権誕生で、円安や日本株高はどこまで進むのか?」という質問を頂いたわけだが、それに対して筆者は以下のようにお答えした。「安倍総裁がふさわしいと考える日銀総裁が誕生すれば、今年2月から3月にかけて実現したような、円安そして株高が再現してもおかしくないと思います」(グラフ参照)。

 

 

 

 

問題は自民党勢力がどの程度の議席を確保できるか、だろう。
自公で過半数をとれればよいが。

量的緩和は景気を悪化させる | 行動ファイナンス小幡績 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

実物市場へ投資する場合には、一定のコストがかかり、リスクもある。だから、調達金利がどんなに低くても、たとえば、ゼロ金利で調達しても、0.5%で貸すわけにはいかず、どんなに低くても本当は2%から3%は必要なところだ。

さらに、日本の低金利は長期に継続しているから、優良な住宅ローンも優良企業も、もう残っていない。とことん貸しつくしているからだ。そうなると、ある程度リスクのあるところに貸さざるを得ない。そうなると、2%でも難しく、ビジネスとして成り立たせるためにはたとえば4%の金利が必要になる。しかし、それでは誰も借りてくれない。さらに、これまでの融資先の大半を占める優良企業は自分で直接、資金調達できるようになっており、融資の拡大どころか、減少となり、ますます銀行の基盤は減り、資金の運用先を探すのに苦労するようになっている。

このような状況で、量的緩和をするとどうなるか。

量的緩和(現在の量的緩和、日銀の量的緩和のオリジナルは異なることに注意が必要だ)とは、金融商品を中央銀行が買うということである。だから、証券市場で金融商品の価格は上昇する。これが量的緩和の本質で、それ以上でもそれ以下でもない。

今後さらに量的緩和が進むと皆は思っているから、金融機関を含む投資家は、資金を証券市場の金融商品にさらに回す。値上がりした金融商品はさらに値上がりする。つまり、金融商品の利回りは低下する。しかし、今後も投資資金が回ってくるから、さらなる値上がりによるキャピタルゲインが狙える。少なくとも値下がりリスクが減る。こうして、中央銀行の「買い」が、投資家の「買い」を呼び、債券も株も、そしてコモディティも、金融商品は継続的に値上がりし、長期金利やリスクプレミアムは低下する。

企業が生産活動を活発化させるのはあくまで実需であり、実需対策なき金融緩和には意味が無い、ということ。そんな状態で金融緩和だけを行うのは返って有害、という話。

ZEW景況感調査に現れているヨーロッパ経済の復活 いま我々が心配しないといけない事は日本のてごわいライバルであるドイツを勝ちっぱなしにさせないということだ  - Market Hack

LTROとQEの違いを説明しておきます。QEの場合は中央銀行が銀行の持っている債券などを買い入れ、それと引き換えにキャッシュを渡します。だから銀行のバランスシートは改善します。

一方LTROは銀行が持っている資産の所有権はそのままにECBがその担保に対して貸付を実行します。これはその担保となっている資産の価値が毀損した場合、担保価値の値下がりリスクから銀行が逃げられないことを意味します。ただECBがどんな担保でも文句を言わずにキャッシュを貸し続けるというコミットメントがあれば、それはそれらの担保価値の怪しい証券類の価格を下支えする意味があるのです。

またLTROはECBが実質的に輪転機を回してユーロ紙幣をどんどん印刷することを意味します。それは為替をユーロ安へ導く効果があります。

LTROは実質的な金融緩和策。
今後もユーロ安は続く。
しかし、日米欧がそろって金融緩和するってことは新興国はインフレorバブルになるのかな。大変な国も出てきそう。

中国株と金利サイクル - Market Hack

実際、金利の大きな方向転換が出るとなれば一度はロングから入る必要があると感じています。

ただ一般論として中央銀行が引締めサイクルから利下げに転じる瞬間は株式市場にとって大きなチャンスであると同時にリスクも大きいのです。

なぜならこの瞬間では未だ経済がソフトランディングするか、それともハードランディングになるかわからないからです。

一般に不動産セクターが好景気の牽引車を務めた場合では(今回の中国も明らかにそれに属します)ソフトランディングを演出するのは至難の業です。

だから極端に強気、ないしは極端に弱気の相場観に偏らず、必要に応じて柔軟に投資戦略を変えたいと思います。

米国、欧州につづき、中国も試練の時を迎えようとしている。

第274回 QE2バブル崩壊へ - 堀古英司の「米国株式の魅力」 - 楽天ブログ(Blog)

金融危機後実施されたQE1(第一弾量的緩和策)は景気にも株式にも大きな押上げ効果をもたらしました。しかしQE1が大きな効果を上げた大きな要因は70兆円強に上るオバマ景気対策を伴っていたからである事を忘れてはなりません。国債が増発され、その国債をFRBが購入した(紙幣と入れ替えた)のですから、オバマ景気対策というのは広く国民に紙幣をバラ撒ける政策となったわけです。一方でQE2は財政政策を伴っていませんから、基本的には長年日本が経験して来たのと同じ。要するにその多くが銀行の準備預金としてFRBに積み上がるだけで、国民にお金を回す政策が欠けているのです。

また前号で「QE2によって長期金利が下がりにくくなるのは容易に想像が付きます」と申し上げたところですが、早速長期金利が上昇を始めました。 QE2でFRBが購入の対象としているのは9割方が短中期国債です。FRBとしては量的緩和を解除する、いわゆる出口戦略を考えた場合、満期と共に出口をむかえられる短中期国債の方が都合が良いのでしょう。長期国債を保有していて「出口」をむかえるとなると売却損が出る可能性が高くなってしまうからです。一方、市場ではそのようなFRBの事情を見透かす形で長期金利がどんどん上昇してしまっています。この結果、現在QE2が購入の中心としている5年物国債と、長期である30年物国債の利回り差は2.8%に拡大しており、これは1970年代以来最大の水準です。

長期金利が何故重要なのか。それはそもそも、QE2が必要となった原因である雇用情勢も、デフレも、住宅をはじめとする不良債権問題が背景にあるからです。住宅市場に影響を与えるのは長期金利です。従ってQE2が最もターゲットとしなければならないのは長期金利である筈なのに、その長期金利は逆に上昇してしまっているのです。QE1において、FRBが買い取る対象の殆どが住宅ローン関連証券であった事、オバマ景気対策の中で住宅市場対策が多く盛り込まれたのとは大きく状況が異なります。

さらに長期金利が重要なのは株式市場も同じです。株式というのは満期のない証券なのですから、30年物国債よりも敏感なはずです。前号でも書かせていただいた通り、短期性の資金はともかく、長期金利が上昇していく状況で、株式市場にしっかりした中長期性の資金が流入してくるとは思えません。歴史的に株式相場が大きく上昇するのは、比較的景気が良いのに長期金利が低下しているという状況です。しかもその場合は通常、金融セクターが相場のリード役になるものです。しかし現在は逆に、比較的景気が悪いのに長期金利が上昇している状況。そして相場のリード役であるはずの金融セクターは、今年4月に既に高値を付けた後低迷を続けているのです。

 

 

 

QE1とQE2は質が違う。
QE2はいわばバブルを作って、デフレを止めようという乱暴な作戦なので、QE1ほどの効果は見込めない。

個別のケースでいえば、

銀行預金をするのが精一杯の所得層にしてみれば、過剰流動性によって商品が値上がり、物価が上昇するのに、預金は低金利でふんだりけったりという状況が発生する。

株式市場には資金が流入するものの、長期金利のほうが有利と見れば、そちらに資金が移動する。そのため短期資金中心の荒っぽい相場になりやすい。

また、長期金利の上昇は住宅不況を招きかねない。

FRBは難しいかじ取りを迫られる。

 

第273回 世紀の大実験:QE2 - 堀古英司の「米国株式の魅力」 - 楽天ブログ(Blog)

株式は短期資金が流入しやすい一方、長期性の資金は入りにくい状況となるでしょう。QE2によって長期金利が下がりにくくなるのは容易に想像が付きます。現在のように、10年債利回りと30年債利回りの差が1.6%にも拡大するのは、1970年代以降初めての事です。アメリカ経済にとってのアキレス腱である住宅市場に与える影響は無視できなくなるでしょうし、満期まで10年の証券より30年の証券の方が売られているのですから、中長期的には、満期のない証券(株式)も楽観視できないはずです。

しかし短期性の資金はそういう事もお構い無しに暴れてくる可能性があります。投資家が短期性の資金で何かやりたい時に典型的なのは、最近パフォーマンスの良かった銘柄をさらに追いかける事です。この結果、パフォーマンスの良い銘柄に資金が集中する傾向があります。これは実際、1999年にY2K問題を見越して各国中央銀行が金融緩和を行った際にも起こりました。もちろん、当時の例に照らせば深追いは禁物という事です。

もう一つ。

・ドルペッグしている国は、経常黒字で(ドル安により)価値がへる国債より、金などを指向するだろう
・長期金利が上がることで、住宅市場には悪影響を与えるだろう
・商品高が物価高に波及すれば、低金利と相まって、庶民の生活には悪影響を及ぼすだろう
・株式は短期的な利益を指向し、銘柄による格差が広がりやすいだろう

こんなところか。

第273回 世紀の大実験:QE2 - 堀古英司の「米国株式の魅力」 - 楽天ブログ(Blog)

サンフランシスコ連銀が6月に示した試算によると、FF金利はマイナス5%を示しています。これは過去の物価及び雇用状況からFF金利を回帰分析したもので、式は以下の通りです。

2.1+1.3×インフレ率-2.0×失業率ギャップ(現失業率と自然失業率の差)=目標金利
2.1+1.3×1.0-2.0×(9.7-5.5)=-5.0%

もっともFF金利をマイナス5%にする事はできないので、他の方法によって、FF金利をマイナス5%にしたのと同様の効果が表れる状態にしなければなりません。今回発表されたような国債購入によってFF金利を引き下げたのと同様の効果を得るには、どのくらいの国債を購入すれば良いのでしょうか。これについてはNY連銀のダドリー総裁が10月の講演で示した、「5,000億ドルの国債購入で、FF金利を0.5-0.75%引き下げたのと同様の効果が得られる」とのガイドラインが参考になります。

という事は、現在ゼロであるFF金利をマイナス5%にするには、国債をどれだけ購入しなければならないでしょうか。あとは計算するだけですね。 3.3兆~5兆ドルという金額が出て来る筈です。これだけでもとても大きな金額のように見えると思います。しかし適正FF金利を上記の回帰分析とは異なる、(先見性が高いと言われる)テイラールールに基づいて計算すると、実はマイナス7%という数字が出てきます。すると必要国債購入額は4.6兆~7兆ドルに増加します。

もちろん量的金融緩和というのは世紀の大実験であり、このような計算通りになるとは限りませんし、大きな副作用を伴う可能性も十分あります。従って FRBとしては、やり過ぎるリスクは避けたい所でしょう。しかし上記金額の半分としても、3兆ドル近い数字が出てきます。今回取り敢えず6,000億ドルという数字が発表されましたが、こう考えると来年7月以降、さらに継続されたり、場合によっては増額されたりする可能性は十分にあるという事です。

マイナス金利にはできないから、国債を買い入れて、金融を緩和する。

筆者がいいたいのは、引用のあとの部分。
傷ついてもチャレンジすることを選ぶ米国と、
座して死を待つ日本の差。

オピニオン / 社説 / 【社説】日本の「第三の道」 / The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com

より大きな問題は、菅首相が「第二の道」(世界2位の経済大国に市場原理主義を導入すべく市場開放を進めようとした小泉純一郎元首相が推進したような構造改革を指す)を危険なまでに否定していることだ。首相は11日、こうした改革が「行き過ぎた市場原理主義に基づき、供給サイドに偏った」ものだったと批判した。

実際、こうした改革は日本を活気づけるために必要だった、そして今も必要なものだ。小泉元首相の改革者魂により、就任当初はマイナスだったGDP成長率は退任の時には年率3%に上昇していた。失業率は7年ぶりの低水準である4%近辺に低下した。日本経済がデフレから抜けられないのは、日銀の金融緩和が不十分なためではなく(日銀は今週、最大3兆円の新貸出制度を決定した)、企業が既に抱えている現金を投資するインセンティブがほとんどないためだ。一段と機動的な動きができるよう規制を緩和し、閉ざされた多くの市場を開放してこうした企業に競争を強いれば、雇用創出を伴う成長につながるはずだ。

あなたが1000億円持っているとして、
今の日本でビジネスしたいですか?
それとも別の国でしたいですか? という話。

国民から税金を取り立てて、むりやり官製ビジネスを起こすのは手法としては下。