菅直人首相の賞味期限はどのくらいか? - 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
官僚集団は、菅氏を増税に利用して、使い捨てしようとしている、と見る。
参院選の直前に政権を獲って、菅内閣に人気があるうちに、消費税率引き上げを看板公約に参院選挙に臨ませたことは、官僚側から見ると大成功だ。
菅氏の近くにいた官僚は、政権交代以来、菅氏の頭脳には過大な負荷が掛かる財政のレクチャーを授けつつ、世論調査で消費税率引き上げに賛成の方が多いデータなどを見せて、「今や、消費税率の引き上げをはっきり言った方が立派な政治家だと世間が思うはずだ」と吹き込んだのだろう。この際に「鳩山政権は遠からず行き詰まるから、下手に関わらない方がいい。次は、誰が見ても、菅さんが首相だ! われわれは菅さんに期待している」と付け加えたのではないかと想像する。(中略) その間、財政の組み替えに本格的に取り組み予算の作り方を抜本的に変えるはずだった国家戦略局は設立が棚上げされ、民主党の第一の公約だった財政支出のムダ削減は官僚がお膳立てした「事業仕分け」に矮小化され、予算の権限は全面的に財務省に残り、平成22年度予算がさっさと作成されて、通過した。同時に、公務員の天下りは容認の方向に傾き、もちろん、公務員人件費の削減も実行されない。今や、幹部公務員は、役所に残って高収入を得続けることも出来るし、天下りの道も開けている。
同時に、鳩山内閣は、自ら消費期限を区切ったかのように普天間問題を中心に着々と追い込まれていった。
そして、今度は菅首相に消費税率引き上げを語らせての参議院選挙だ。
官僚たちも、こんなに上手く行くとは思っていなかったのではないか。
消費税に関わった首相は代々短命。
竹下登。橋本龍太郎。
そして菅直人。