しかし中国ではそれが出来なかったのです。
なぜなら人民元を米ドルにペグ(固定)していたからです。
固定レートは人民元と米ドルの間で為替変動リスクが無かったことを意味します。
その場合、若し中国が実体経済の強さをそのまま反映した高い金利設定にすると「高利回りのうえに為替リスクなし」という、投資家にとって美味しすぎる状態が発生してしまうのです。
すると人民元預金のための投機資金が殺到します。
このようなホットマネーが飛び込んでくると中央銀行が為替を一定の交換レートに固定するのは至難の業となります。
そのためにも人民元預金の金利は「旨味が少ない」水準にとどめておく必要があったのです。
預金しても割に合わない状況がわざと作られていた関係で中国の人々は実体経済にお金を突っ込んだ方が得だと判断しました。
逆にそうしなければ折角稼いだお金はインフレによりどんどん目減りしているように感じてしまうのです。
去年からニンニク・バブルが起きたり、そら豆の値段が騰がったり、地価が値上がりしたのはこういうメカニズムが働いているからです。
一生懸命働いているのに、物価高で生活は苦しいしマイホームの夢はどんどん遠のいている、、、
中国の人々のこうした焦りが根底にあるからこそ、ホンダやトヨタの工場で賃上げ闘争が起きたのです。