牛さん熊さんブログ : ギリシャ国民によるユーロ離脱の選択の可能性

ギリシャの国民としてはどちらを選択すべきかは言うまでもない。あえて価値の下落が見えている新通貨への乗り換えは、さらに経済を悪化させよう。日本では戦後、新円切替が実施されたが、これは戦後のハイパー・インフレーション対策としてのものである。これに対して、もしギリシャがユーロから新ドラクマに乗り換えるとするのであれば、日本の新円切替とは真逆のことになる。あえて通貨価値の高いものから低いものに乗り換えるという事態となり、それはさらなる経済の混乱をもたらすことになろう。

ギリシャのドラクマ化は、従来の通貨切り替えとは異なる

ZEW景況感調査に現れているヨーロッパ経済の復活 いま我々が心配しないといけない事は日本のてごわいライバルであるドイツを勝ちっぱなしにさせないということだ  - Market Hack

LTROとQEの違いを説明しておきます。QEの場合は中央銀行が銀行の持っている債券などを買い入れ、それと引き換えにキャッシュを渡します。だから銀行のバランスシートは改善します。

一方LTROは銀行が持っている資産の所有権はそのままにECBがその担保に対して貸付を実行します。これはその担保となっている資産の価値が毀損した場合、担保価値の値下がりリスクから銀行が逃げられないことを意味します。ただECBがどんな担保でも文句を言わずにキャッシュを貸し続けるというコミットメントがあれば、それはそれらの担保価値の怪しい証券類の価格を下支えする意味があるのです。

またLTROはECBが実質的に輪転機を回してユーロ紙幣をどんどん印刷することを意味します。それは為替をユーロ安へ導く効果があります。

LTROは実質的な金融緩和策。
今後もユーロ安は続く。
しかし、日米欧がそろって金融緩和するってことは新興国はインフレorバブルになるのかな。大変な国も出てきそう。

金融市場Watch Weblog  ECB理事会~政策金利の25bp引き下げと非標準的手段の拡充

今後もECBは経済のダウンサイドリスクを考慮しながら、緩和的なスタンスを取っていくものと思われる。しかし、これ以上の利下げについてはやや難しい面もある。それはコリドーの操作に係わる部分である。ECBでは3つの金利体系があり、上限金利である限界貸出ファシリティ金利(ディスカウントウィンドウを利用する際に適用される金利)主要リファイナンス金利(オペで適用される金利)預金ファシリティ金利(超過の流動性を預け入れる金利)があるが、この3つの金利は現状75bpの差が付けられている。そして預金ファシリティ金利については0.25%であり、これ以上引き下げるのは現実的ではない(Fedも超過準備には25bpの金利を付与している)。ドラギ総裁も"ECB deposit facility level is not distant from level post Lehman"としており、リーマンショックの時と預金ファシリティ金利の水準はそれ程離れているわけではなく金利の引き下げ余地についても限界に近いことを示唆する発言を行なっている。このことから、今後金利を引き下げる際にはコリドーを狭めていくしかないが、75bp未満はこれまで実施したことがない(トリシェ総裁時の金融危機においてもこの水準を割り込んだことはない)。従って、現状コリドーを変更する意思がないのであれば、今回で利下げは打ち止めになるし、仮にコリドーを50bpに引き下げるとしても、あと1回しか出来ないということになる。従って、今後さらなる緩和策が必要とされた場合、どのようにコリドー等を考慮しながら金利を引き下げていくのか、注目されるところだろうと思われる。

ECBがゼロ金利を実行できない理由。

ドイツは支援する相手を間違っている! - Market Hack(外国株ひろば Version 2.0) - ライブドアブログ

今回のアイルランドの銀行の経営危機のようにひとつの国の銀行がおかしくなったとき、その銀行を潰すか、潰さないかはアイルランド一国の判断では決められなくなってしまったのです。

なぜならアイルランドの銀行が倒産すればそれがドイツの銀行などに波紋を投げるからです。言い換えればリーマン・ショックの欧州版が起こりかねないといことです。

しかしアイルランドの銀行がその経営のミスを問われず、政府の保証で社債を満額で償還するということは損の穴埋めが社債の保有者(例:ドイツの銀行)からアイルランド国民へと移ったわけで、これは一種の「利益移転」になります。

不動産デベロッパーへの貸し込みで穴をあけた償いをアイルランド国民が代行するというのは敗戦国が背負い込まされる戦争賠償金と同様の効果をもちます。

アイルランドの銀行を倒産させれば、ドイツの銀行がその損を支払わされる。
しかし、アイルランド政府にお金を貸して、アイルランドの銀行を救済させれば、アイルランド国民が代わりに支払ってくれる。

ドイツは「欧州版リーマンショックを回避する」という大義名分で、本来自分たちが穴埋めしなければならない損を、アイルランド国民に押し付けている、という話。

インフレとデフレが並存する経済~G20を受けて |  金融市場Watch Weblog

さらにクルーグマン教授は緊縮財政は短期的に債券投資家を喜ばせるだけで、それらの国々をデフレにさせて、失業率を増大させるという危険性を説いている。これは昨日に取り上げたジョージ・ソロス氏と似たような論調かもしれない。但し、このような論調に関して、個人的な見方としては少し単純すぎるかもしれない、という感じを抱く。クルーグマン教授の意見では、現状の問題がデフレ的な現象(物価下落)とインフレ的現象(金利上昇・クラウディングアウト)が同時平行的に進行する経済だったとしたらどうすればよいのか?という処方箋は示されていない。

スペインの場合であれば本来なら重債務国なのでインフレに陥る(クラウディングアウトを引き起こす)のがセオリーだが、同国の物価は民間債務に起因した慢性デフレ、すなわち民間負債の大きさに起因する需要不足という問題も指摘されている(ロイター「焦点:物価下落でスペインに忍び寄る慢性デフレの影」参照)。分かりやすくイメージすると、住宅バブルが民間債務の肥大化を招き、リセッションによって債務返済による消費の低迷、さらには需要不足による物価下落バイアスがかかっている。さらに住宅市場では供給過剰の状態となり、資産価格の下落を招いている。一方で政府は金融危機の際、銀行システムを維持するために財政支出を行うが、その見返りとして公的債務も肥大化してしまった。公的債務に対する懸念、すなわちデフォルトリスクからソブリン債が投げ売られ、金利が上昇する。そして金利の上昇から民間セクターのファイナンスもままならない。このような構図だろう。

上記のような経済において日本のように金利に低下バイアスがかかれば景気刺激策も有効かもしれない。しかし、金利を低下させるプロセスはECBによる国債買い入れ(信用緩和)もしくは財政再建の2つくらいしか思い当たらない。一方で緊縮財政を取ればデフレのリスクも大きくなっていく。従ってこの問題は二項対立として扱うべきではなく、優先順位を決めて問題にとりかかるしか無いのではないか、と思われる。その場合は金融市場の緊張こそが判断材料の一つになるのではなかろうか。端的にいえば国内の銀行のリファイナンスであろう。

 

 

グルーグマン教授の論説は以下の通り。

財政再建路線にはデフレのリスクがあり、
経済再建路線にはインフレのリスクがある。
インフレとデフレが併存する状況下において、
G20がすべて財政再建路線に向かうべきではなく、
重病国家のみが緊縮財政を図り、他の国は経済再建を優先するべき。
重病か否かの指標としては、金融市場の緊張=銀行のファイナンスを見るのがよい。

それに対して、筆者はスペインのように、
政府はインフレ、民間がデフレに向かうような状況に陥っているケースもある、と説いている。
金融緩和が出来れば、景気刺激も可能だが、
ユーロに組み込まれているスペインでは、ECBの国債買いと自国の財政再建の2つでしか金利を下げることが出来ないので、財政再建政策をとらざるを得ない。 

近隣窮乏化政策に踏み出すユーロ圏  JBpress(日本ビジネスプレス)

通貨同盟の中で今の窮状を抜け出す方法は、物価下落(より正確に言えばコスト低下)を通じた脱出である。アイルランドはその方向に向かっており、他国は大きく後れを取っている。だが、これは延々と続くプロセスであり、また何より重要なことに、債務の実質価値を膨らませる。構造改革を支持する向きは、こうした事実を無視している。

独自通貨を持たぬギリシャ(やポルトガルなど)は、
物価下落によって輸出競争力を得るしかない。
しかし、
物価下落は政府債務の実質的価値を膨らましてしまうことにもつながるので、
財政再建はすんなりとは進まない。

キャリートレード - 野村證券

キャリートレードとは、機関投資家・ヘッジファンド等の有力な資金調達・運用手法とされる取引で、金利の低い通貨で資金調達して、金利の高い通貨で運用して利ザヤを稼ぐ手法をいう。特に円で資金調達をおこなう場合を円キャリートレードという。

円キャリートレードは、機関投資家・ヘッジファンド等が低金利の円などの通貨で資金調達し、それをドルに換えて、金利の高い米国債等で運用し、金利差収入を獲得する。なお、円キャリートレードが加速すると、円が売られやすくなり、円安をもたらす要因の一つと考える見方もある。

これからはユーロキャリーが始まるのではないかと予測。

金融不安が後退すれば、
そのぶんのショートカバーで戻す分があるだろうが、
長期的に見れば、ユーロ安ドル高。

通貨が安くなれば、輸出産業が元気になるので、
EU的にも、ゆるやかなユーロ安は歓迎すべきところ。

ドイツ的に言えば、
政府はギリシャに金を貸して、
民間が世界から金を手に入れる構図。

日本国債を国内で消化できなくなる日  JBpress(日本ビジネスプレス)

バークレイズ・キャピタルの予測によれば、2017年頃までには日本の民間部門の資金余剰――現在は、これが公的部門の資金不足を埋めている――がほぼゼロになるという。人口の高齢化に伴って貯蓄が取り崩されるうえ、労働人口における30~44歳の世代(貯蓄性向が最も高い年齢層)の割合が低下するからだ。

 経常収支が赤字になれば、日本は外国の資金を呼び込もうとするだろう(中国の皆さん、こんにちは)。すると、国債間の金利裁定が始まる。

 現在の10年物米国債の利回りは日本国債のほぼ3倍に達しており、全く勝負になっていない。従って日本政府としては、日本国債の実質利回りが相対的に見て十分に魅力のある水準になることを望むしかなくなる。

 だが、利払い負担が増えれば、政府の収支は一気に悪化する。

国債利回り上昇=国債価格の下落、となる。

これの悪影響が単に政府債務の増大だけで済めばよいが、
おそらくは、国債を大量保有している金融機関のバランスシートが問題視され、
金融危機が先行するカタチでクライシスが起こる。

そうなると政府は自身の債務返済と、
銀行の救済の両方に税金を使わなければならなくなり、
IMFが指導するような、緊縮財政による財政健全化など夢の話となる。

ユーロ圏では、その悪夢が現実化しつつあるが、
日本はどうなるのだろうか?
財務省は増税でつじつまを合わせる気でいるのかもしれないが、
それは無理な話だろう。

ギリシャ救済へ 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/ウェブリブログ

本来ユーロという仕組みは、弱い国にとっては切り下げができないという足かせでまさにそれが問題なわけですが、強い国にとっては、「切り上げしなくてもいい」というメリットもあるのです。つまり、ドイツは相対的に輸出競争力を維持し続けることができるのであり、ユーロという仕組みそのものから多額の補助金を受け取っているに等しいともいえます。ユーロは、比較的域内貿易の多いユーロの中の強い国ドイツにとっては実はメリットのある仕組みです。

ドイツにしてみれば、足腰の弱い国がユーロの足を引っ張ってくれたほうが、輸出競争力を維持できるので、ギリシャを離脱させる理由はない、という話。

ただ上記のロジックよりも、
ドイツ野党の「なんでギリシャの年金を守るために、我々が血税を払わなければならないんだ」という話の説得力のほうが強いので、
メルケル首相は頭の痛いところでしょう。

国家破綻のナビゲーター - Eiichiroh(ゲストブロガー) - Market Hack(外国株ひろば Version 2.0)

簡単に言うと、ヘッジファンドはまず、倒産危機が噂される企業のCDSを意図的に吊り上げ、倒産不安をあおる。その上で、株式市場で空売りを仕掛け、利益を得るという手口だ。 国際ジャーナリストの田中宇氏によると、リーマンだけでなくベアースターンズもこの手口の餌食になったと、2008年にWSJが指摘しているとの事。
仮にヘッジファンドがソブリンCDS、国債マーケットに参加しているとなると、今現在の欧州のCDSの高騰を見る限り、リーマン等の企業レベルで起こった事が、国家レベルで行われようとしている事になる。ソブリンCDSを吊り上げデフォルト不安を演出し、国債市場で空売りを仕掛けるという訳だ。ヘッジファンドが国家破綻を導くという、ショッキングなモラルハザード。

ギリシャに対する不安が緩んだ途端に、イギリスポンドが急落したりするのを見ると、
ヨーロッパに対する売りトレードを成功させるために、
アレがダメならコレ、と爆弾を投げ込んでいる人たちがいるような気にはなってしまう。