中岡望の目からウロコのアメリカ » 財政赤字問題:アメリカは第2のギリシャになるか

アメリカとギリシャの大きな違いは、アメリカはドル、すなわち自国の通貨で資金を調達しているのに対して、ギリシャは同じドルですが、他国の通貨で資金を調達していることです。ギリシャが資金を返済するにはドル資金を調達する必要があります。しかし、アメリカは極論すれば、インフレを引き起こせれば、債務者利得を労せずして手に入れることができるのです。基本的にアメリカには流動性の問題はないのです。ただ、財務省証券に対する投資家の信頼が低下すれば、金利派上昇するという市場メカニズムは働きます。その意味で、アメリカはいつも自由であるというわけではありません。

基軸通貨を持っていることの最大のメリット。

中国は最終的にココを目指すだろう、と思った。

人民元の上昇容認 対ドル固定相場解除と投資戦略 - Market Hack(外国株ひろば Version 2.0)

【外圧ではない、インフレ圧力だ】
今回中国人民銀行が為替レート変動を容認する決断をした背景として米国議会からのプレッシャーなどの外圧は関係ありません。

あくまでも固定レートの維持がひきおこす、中国国内の慢性的なインフレ圧力が為替レート変動容認の動機です。

いま中国のGDPは年率12%近く成長しています。一方、アメリカの成長率は3%程度です。

普通、中国ほど急激にGDPが成長している国では金利を引き上げて物価上昇に対するガードを固める必要があります。

しかし中国ではそれが出来なかったのです。

なぜなら人民元を米ドルにペグ(固定)していたからです。

固定レートは人民元と米ドルの間で為替変動リスクが無かったことを意味します。

その場合、若し中国が実体経済の強さをそのまま反映した高い金利設定にすると「高利回りのうえに為替リスクなし」という、投資家にとって美味しすぎる状態が発生してしまうのです。

すると人民元預金のための投機資金が殺到します。

このようなホットマネーが飛び込んでくると中央銀行が為替を一定の交換レートに固定するのは至難の業となります。

そのためにも人民元預金の金利は「旨味が少ない」水準にとどめておく必要があったのです。

預金しても割に合わない状況がわざと作られていた関係で中国の人々は実体経済にお金を突っ込んだ方が得だと判断しました。

逆にそうしなければ折角稼いだお金はインフレによりどんどん目減りしているように感じてしまうのです。

去年からニンニク・バブルが起きたり、そら豆の値段が騰がったり、地価が値上がりしたのはこういうメカニズムが働いているからです。

一生懸命働いているのに、物価高で生活は苦しいしマイホームの夢はどんどん遠のいている、、、

中国の人々のこうした焦りが根底にあるからこそ、ホンダやトヨタの工場で賃上げ闘争が起きたのです。

 

 

あくまで中国は自国の都合で、人民元のドルペッグ政策を改定した、という話。

基本的には「景気過熱>利上げで冷やす」という理屈。
景気のいい国はインフレを制御するために金利を上げる。

中国は利上げのタイミングを伺っていたが、
米ドルと人民元の交換レートを固定したままでそれをすると、
為替リスクなしの、高利回り通貨キャリートレードが発生してしまうので、 
まずはドルペッグの解消を始めた、という流れ。 

すでに投機マネーになだれ込まれていたのがブラジル。
キャリートレードマネーがなだれこんで、
通貨レアルが上昇、自国輸出作業にマイナスの影響が見られるようになってきた。
そこで海外からの投資に対して課税するという措置に出た。

中国は人為的に通貨を固定したため、
景気過熱分だけ物価が上昇。
稼いだお金は貯金しようにも低金利政策でインフレ負けしてしまうので、
不動産や商品、株価に向けられ、それらのバブルが発生していた。

今後中国は、
輸出産業のダメージを最小限にしながら、
通貨と物価をコントロールして、
社会不安を押さえ込んでいくというハンドリングが迫られる。 

デフレ脱却議員連盟、120円台への円安誘導を主張 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/ウェブリブログ

逆にこれまでの歴史は輸入物価ベースと輸出物価ベースの購買力平価(いずれもCPIベースよりはるかに円高水準)の間でであることが多く、しかも時のアメリカの政治状況によってかなりぶれがあります。かなり特徴的なのは、極端に円高方向にぶれたのが過去のアメリカの民主党政権時代であること。オバマ政権が輸出倍増政策とか言い出しているときに120円台目指すとか言い出すのは、相当気合入れて喧嘩する覚悟がおありなんでしょうなぁ。

確かにデフレ脱却のために何らかの行動を起こすべきという気持ちはわかるのですが、為替レートはあくまで結果であってそれを手段としてはならないというのが過去の教訓(近隣窮乏化政策で国際紛争が起きてきた)ではないでしょうか?

度を超した通貨安政策は「貿易戦争を起こすぞ」と宣言しているも同じ、という話。

その自覚や覚悟もないのに、言葉だけをふわふわと打ち上げているから、浮かせているから、不安になる。

今晩の雇用統計を控えて~金利のリアクションに注目 |  金融市場Watch Weblog

そして最も注目しなければならないのは、金利・債券市場だろう。強い数字が出てこればダイレクトに反応する。こちらの市場もフローはないので、荒っぽい動きをするのだろうが、強い数字を受けて米国10年債利回りが4%をトライするかどうかということになるし、金融政策の織り込み具合を占う上で重要な2年債がどのようなリアクションを示すかどうかも注目すべきだろう。長期金利の上昇は大きくなっているが、短期金利も期初でも足元のドル資金がタイトなままなのかどうかを見極めていく必要がある。短期ゾーンはこの結果を受けてFedの政策を織り込む形で上昇していくのかどうかがポイントだろう。長期金利はモーゲージ金利と連動していくことになるので、これが上昇していく傾向になると、特に住宅市場である種のクラウディングアウトとなる可能性もあるので、極めて神経質な構図となるのかもしれない。


このようなことを考えていくと、現状の流動性相場が維持されることを期待するならば、ややネガティブな数字が出された方が返ってマーケットには「優しい」結果となるのかもしれない。逆にポジティブサプライズになったら、ドル円が買われ東京の株式も買われるかもしれないが、NYでは早期出口戦略が意識される可能性がある。要は「モデレートに雇用は改善しているものの、Fedが出口戦略に踏み切るほどではない」とマーケットに織り込ませるのがベターな構図という感じがする。それとFedの意図とは異なるのかもしれないが。

雇用を大事にするなら、低金利&ドル安。
インフレを抑えたいなら、利上げ&ドル高。

長期的には利上げに舵を切らなければならないが、
いつ、どのタイミングで切るかがバーナンキの腕の見せどころ。

人民元切り上げの現実味~中国サイドの意図とは? |  金融市場Watch Weblog

ドルペッグは、中国政府にとって米国の金融政策によるインフレ的な影響を事実上固定化させられていることを意味する


と指摘している。つまり、ドルと人民元が表裏一体のものである以上、米国の緩和的な金融政策の影響を受けるということである。ドルと人民元のレートを固定させるために非不胎化的な介入を行うことは、同時に市中にマネーをあふれさせることにもなるし、それが資産バブルを生む素地になる。さらに安いドルにペッグするのであるから輸入物価を押し上げ、CPIを上昇させる要因になる。従ってインフレやバブルを気にしなければならない中国当局にとっても切り上げをいずれ行わなければならないということはコンセンサスとして出来ている。米国が出口戦略に向かうことがあればそのままドル高の恩恵を受けられるだろうが、そうもなかなか米国もすぐには出口には向けられない。その間に中国経済が過熱してしまうようだと中国サイドで手をうつしかあるまい、ということになる。

中国はあくまで中国の都合で人民元を切り上げていく。
本当にこの国は、日本の失敗を研究している。
あっぱれというほかない。