牛さん熊さんブログ : ギリシャ国民によるユーロ離脱の選択の可能性

ギリシャの国民としてはどちらを選択すべきかは言うまでもない。あえて価値の下落が見えている新通貨への乗り換えは、さらに経済を悪化させよう。日本では戦後、新円切替が実施されたが、これは戦後のハイパー・インフレーション対策としてのものである。これに対して、もしギリシャがユーロから新ドラクマに乗り換えるとするのであれば、日本の新円切替とは真逆のことになる。あえて通貨価値の高いものから低いものに乗り換えるという事態となり、それはさらなる経済の混乱をもたらすことになろう。

ギリシャのドラクマ化は、従来の通貨切り替えとは異なる

ギリシャスプレッド 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/ウェブリブログ

また拡大しているのをみて、また問題再燃とか言う人がいるのですが、もちろんこれは今月ムーディーズが投資適格外に格下げした結果今月末に売らなければいけない人々がいっぱいいる結果です。ベンチマークを基本とする運用の方々におかれては、格下げが発表されたからと言ってすぐ売るわけには行かないのが原則で、リバランスの月末に行動を起こす方がほとんどだと思います。この時期は忘年会シーズンの駅のホームで大きなゲロ袋を持った駅員が「さあここにゲロしてください」と言いながら回っているような状況なので、多少ホームならぬ市場に悪臭が漂うのはどうしようもありませんが、個人的な意見を言えば「吐けばすっきり」して、翌朝からはまた普通のきれいなホームになると見ています。ここから先「マーケットで無理やり売らなければならない人はもう存在しない」という観点で捉えるのが正しいのだろうと思います。

冷静に考えた場合10%を超える利回りを享受して3年程度保有すれば、債務リストラがあったとしてもそのときのカバー率などを考えると、そんなに悪いディールではないかもしれません。要するに市場パニックが人々を振り回すフェイズはかなり終わりに近づいており、噂に惑わされず、冷静な損益計算を始める時期に来ていると言うことだろうと思います。

ディールが成立する値付けや利回りは合理的、という話。

 

近隣窮乏化政策に踏み出すユーロ圏  JBpress(日本ビジネスプレス)

通貨同盟の中で今の窮状を抜け出す方法は、物価下落(より正確に言えばコスト低下)を通じた脱出である。アイルランドはその方向に向かっており、他国は大きく後れを取っている。だが、これは延々と続くプロセスであり、また何より重要なことに、債務の実質価値を膨らませる。構造改革を支持する向きは、こうした事実を無視している。

独自通貨を持たぬギリシャ(やポルトガルなど)は、
物価下落によって輸出競争力を得るしかない。
しかし、
物価下落は政府債務の実質的価値を膨らましてしまうことにもつながるので、
財政再建はすんなりとは進まない。

キャリートレード - 野村證券

キャリートレードとは、機関投資家・ヘッジファンド等の有力な資金調達・運用手法とされる取引で、金利の低い通貨で資金調達して、金利の高い通貨で運用して利ザヤを稼ぐ手法をいう。特に円で資金調達をおこなう場合を円キャリートレードという。

円キャリートレードは、機関投資家・ヘッジファンド等が低金利の円などの通貨で資金調達し、それをドルに換えて、金利の高い米国債等で運用し、金利差収入を獲得する。なお、円キャリートレードが加速すると、円が売られやすくなり、円安をもたらす要因の一つと考える見方もある。

これからはユーロキャリーが始まるのではないかと予測。

金融不安が後退すれば、
そのぶんのショートカバーで戻す分があるだろうが、
長期的に見れば、ユーロ安ドル高。

通貨が安くなれば、輸出産業が元気になるので、
EU的にも、ゆるやかなユーロ安は歓迎すべきところ。

ドイツ的に言えば、
政府はギリシャに金を貸して、
民間が世界から金を手に入れる構図。

ギリシャ救済へ 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/ウェブリブログ

本来ユーロという仕組みは、弱い国にとっては切り下げができないという足かせでまさにそれが問題なわけですが、強い国にとっては、「切り上げしなくてもいい」というメリットもあるのです。つまり、ドイツは相対的に輸出競争力を維持し続けることができるのであり、ユーロという仕組みそのものから多額の補助金を受け取っているに等しいともいえます。ユーロは、比較的域内貿易の多いユーロの中の強い国ドイツにとっては実はメリットのある仕組みです。

ドイツにしてみれば、足腰の弱い国がユーロの足を引っ張ってくれたほうが、輸出競争力を維持できるので、ギリシャを離脱させる理由はない、という話。

ただ上記のロジックよりも、
ドイツ野党の「なんでギリシャの年金を守るために、我々が血税を払わなければならないんだ」という話の説得力のほうが強いので、
メルケル首相は頭の痛いところでしょう。