もしイギリスがポンドではなく、ユーロを選んでいたら? - 内藤忍の公式ブログ

イギリスとスペインを比較すると、財政状態も政府債務もインフレーションもイギリスの方が悪い状態です。にも関わらず、スペインの国債は5.5%近くまで上昇しているのに、イギリスの国債は2.3%に低下しているのです。同じ欧州圏の国で信用力が高い国の方が金利が高い(信用が無い)というのはユーロと言う仕組みに原因があると見ることができます。

違いは自国の中央銀行を持っているかどうかです。

スペインのようにユーロを導入している国は、自国の中央銀行ではなく欧州中央銀行(ECB)がその役割を果たします。一方、ユーロを導入していないイギリスは、イングランド銀行が中央銀行として存在します。

中央銀行を持つ国は、国によって異なるいくつかの制限はあるものの、国債を中央銀行が買い取ることができる。これは、マネーサプライを増加させ、インフレの温床になるリスクがあります。特に中央銀行の立場が弱い場合はそうです。

しかし、一方で中央銀行があるということは、国債の支払い能力に対する投資家の安心感をもたらし、金利を低下させる効果もあるというのです。

もし、イギリスがユーロを導入していたら、スペインと同じ、いやそれ以上の金利になっていたかもしれません。

ではイギリスはユーロを導入しなくて良かったのでしょうか?結果としてはそうかもしれません。しかし、これが世界的なインフレの環境下だったら結果は逆になっていた可能性もあります。

お金の動きとは何ともデリケートです。単純に結果だけを見て、判断の是非を決める訳にはいかないのです。

イギリスのほうがスペインよりも状況は悪いのに、スペインよりも低金利で国債を発行できている。
それはイギリスが中央銀行を保有しているからで、デフレ圧力のある状況では、インフレファイティングできる国のほうが安心感を持たれる。