アメリカの金融政策についての質問です。FF金利と公定歩合の違いは、なんですか... - Yahoo!知恵袋
日米だけに限定して言いますと、「公定歩合」は現在実際には「緊急時」以外ほとんど機能していません。結論から先に言うと日本の場合は「無担保コール翌日物」、米国の場合は「FFレート」が現在の政策金利になっています。公定歩合は、「中央銀行から市中の一般の銀行がお金を借りる」ときのレートです。現在の金融政策の枠組みでは「平時」であれば、中央銀行から直接お金を借りなければならないという状況にはほとんどなりません。
中央銀行は「最後の貸し手」として、誰からもお金を借りられなくなった銀行を助けるために、お金を貸すことができますが、その時に適用されるのが公定歩合です。足元ではサブ・プライム問題による信用不安から、「中央銀行以外からお金を借りることができなくなった銀行」が存在しています。そうした銀行に高利で貸すと、それだけで倒れてしまう危険がありますので、少しでも金利を下げたというのが先日8月16日の「米国公定歩合引き下げ」の意味です。
では、平時において、銀行はお金が足りない時にどうしているかというと、日本の場合は「コール市場」、米国の場合は「FF(フェデラル・ファンド)市場」で、お金が余っている銀行から資金を借りています。(その他、譲渡性預金(CD)等による調達もありますが、ここではオーバー・ナイト(一日単位)の取引に話を限定します))。
日銀とFRBはそれぞれの市場での金利である、「コール・レート」、「FFレート」をコントロールすべく、市中の資金の量をコントロールしています。日本の短期金利が0.5%、米国が5.25%というのは、このそれぞれの「誘導目標」です。実質的にこの市場が短期金融の世界で最も広く使われ、最も重要ですから、この金利をコントロールすることに中央銀行は全精力を傾けます。(ご興味があったらこれがまとまっています。http://www.boj.or.jp/type/exp/seisaku/expcall.htm)
というわけで日米の政策金利は「無担保コール翌日物」、「FFレート」になっているわけです。実際には日々のレートは誘導目標どおりになかなか動いてくれません。ごくごく小さなものですが、日々誤差が発生します。お金を貸す銀行は少しでも高い金利で貸したいですし、借りる銀行は少しでも低い金利で借りたいためです。そこを中央銀行はお金の量をコントロールすることでなんとか目標に近づけようと、毎日市場をモニターし、色んな計算をし、緊張感を持って政策を発動しているわけです。
※(ここから先は少々詳しい話ですので、分からなければ無視しても大丈夫です)。このとき中央銀行は直接コール・FF市場でお金を貸すことはなく、コール・FF市場に滞留するお金の量をコントロールします。お金が余って金利が下がりそうな日であれば、「売りオペ」を行い、手持ちの債券や手形等を売って資金を中央銀行の手に戻します。こうすると市中に滞留するお金の量が減り、金利が上がりやすくなるわけです。逆に、資金が足りなそうな日であれば、「買いオペ」を行って、銀行から債券や手形などを買い、資金を銀行に渡すわけです。
欧州中央銀行が先月数日の間に何十兆円という資金供給を行いましたが、これは物凄い額の「買いオペ」をやったということです。
まとめる。
「公定歩合」
中央銀行が一般銀行にお金を貸すときのレート。
昔は重要な指標だったが、現在は緊急事態が活躍の中心。
「無担保コール翌日物(日)、FFレート(米)」
銀行同士がお金をやりとりするときのレート。
平時において重要視される。
中央銀行が金利を操作したい時は、手持ちの資金を使って、銀行から債券や手形を買ったり売ったりする。これが「買いオペ」「売りオペ」と言われるもの。