昔も今も日銀は国債買切りをそんなにしてこなかったという事実 - DeLTA Function

対GDP比で見ると日銀の長期国債保有残高が大きく見えますが、これはここ20年間名目GDPが増えていないからです。名目GDPは増えない一方で長期国債の保有残高は増えていますので、長期国債の対GDP比が大きくなるのは当然です。「対GDP比で見ると日銀は世界で最も金融緩和している中央銀行だ」なんてことを白川総裁は仰ってましたが、ここは素直に量的緩和を無意味と考えているからやらないのだと言ったほうがいいでしょう。私も前回の量的緩和の効果は限定的だったと考えていますが、それは日銀が国債を申し訳程度にしか買っていないからです。2001~06年のときもちょこっと増やして緩和のポーズをとっていただけですから効果が出ないのも当然でしょう。今回の金融危機については尚更です。増やすどころか減らしているのですから。

何故、日銀が大規模な量的緩和をやらないのかというと、財政ファイナンスの支援はしないことを明確化した日銀の内部ルールである「銀行券ルール」を厳守しているためです。「銀行券ルール」を超えた緩和を行っている国は、金融危機後で見てもBOEしかありません。そして、2001~06年に行った「銀行券ルール」以内の量的緩和であれば確かに効果は限定的です。

・日本はこの20年間、名目GDPが上昇していないのだから、対GDP比の長期国債保有残高が増えるのは当然
・日銀が大規模な国債買い切りをしないのは「銀行券ルール」があるから

Porco Rosso Financial Weblog: 高橋是清 ③

つまり実際には日銀が国債をガンガン引き受けて飲み込んだのでは無く、引受シ団等によって国債をいきなり市中売却する代わりに、一旦日銀口座に入れて資金供給し、市中に購買力が出た時点で買い取った国債をセカンダリーで売却すると言う手法を取っています。従ってこの講演の時点では日銀の国債保有残高はコントロールされていると言う風に理解してます。

最近よく言われる「国はドンドン借金してお金をバラマケ」と言う話しとは少し違います。 最近ハヤリのバラマキ案によく言われる「高橋財政を見習って」と言うのは私には違和感があるのです。

金融危機の際には「例外処置として」中央銀行がいったん国債を引き受け、
金融危機が落ち着いたところで、引き受けた国債を民間に売却する、というのが是清レシピ。

現在の「民間銀行がじゃんじゃか国債を購入している」状況では、
日銀がいったん国債を引き受ける意味は「是清レシピ」的には「ない」ということ。

Electronic Journal: ●「IMF債とBRICsの狙い」(EJ第2629号)

中央銀行が国債の買い入れをするのは基本的にはタブーなのです。なぜなら、それをやると、財政支出の歯止めが利かなくなり、インフレ圧力を高めることになるからです。
米国内には、デフレになるくらいならインフレの方がマシ――こういう意見もあり、FRBが国債を買い入れることによってインフレ圧力を高めるなら良いじゃないかという受け止め方もあるようです。しかし、これはセオリーに反するのです。
3月以降、米長期金利は上昇し、米ドルは売られるようになっていったからです。専門家は、これは「悪い長期金利の上昇」であり、「悪い米ドル売り」であるといっています。

中銀による国債買い入れは、
今回のギリシャ問題のような「金融危機」レベルの事態においてのみ発動されるものであって、
リフレ政策の手段として用いるのは危険、という主張。

発砲は最後の最後の最終手段、ということ。 

 

日本国債を国内で消化できなくなる日  JBpress(日本ビジネスプレス)

バークレイズ・キャピタルの予測によれば、2017年頃までには日本の民間部門の資金余剰――現在は、これが公的部門の資金不足を埋めている――がほぼゼロになるという。人口の高齢化に伴って貯蓄が取り崩されるうえ、労働人口における30~44歳の世代(貯蓄性向が最も高い年齢層)の割合が低下するからだ。

 経常収支が赤字になれば、日本は外国の資金を呼び込もうとするだろう(中国の皆さん、こんにちは)。すると、国債間の金利裁定が始まる。

 現在の10年物米国債の利回りは日本国債のほぼ3倍に達しており、全く勝負になっていない。従って日本政府としては、日本国債の実質利回りが相対的に見て十分に魅力のある水準になることを望むしかなくなる。

 だが、利払い負担が増えれば、政府の収支は一気に悪化する。

国債利回り上昇=国債価格の下落、となる。

これの悪影響が単に政府債務の増大だけで済めばよいが、
おそらくは、国債を大量保有している金融機関のバランスシートが問題視され、
金融危機が先行するカタチでクライシスが起こる。

そうなると政府は自身の債務返済と、
銀行の救済の両方に税金を使わなければならなくなり、
IMFが指導するような、緊縮財政による財政健全化など夢の話となる。

ユーロ圏では、その悪夢が現実化しつつあるが、
日本はどうなるのだろうか?
財務省は増税でつじつまを合わせる気でいるのかもしれないが、
それは無理な話だろう。

デフレ脱却は信用できる確約か--池尾和人 : アゴラ

名目成長率と名目利子率が同率上昇した場合を想定すると、税収増を利払いの増加が上回り、財政収支は悪化する。これは、政府債務残高が税収規模の20倍以上になっているということを考えると、当然のことであるけれども、必ずしも直視されていない事実ではないか。インフレになれば国債問題に(ある意味で)片がつくと考えている向きが少なくないようだが、金利が統制されていた時代と金利が自由化されている時代を同じように考えるのは間違っている。

デフレ脱却によって、(私には必ずしも理解できない何らかの理由で)実質経済成長率も上昇し、GDPデフレータ1%+実質経済成長率1%で、名目経済成長率が2%増、名目利子率の上昇は1%というケースを考えても、先の財務省の試算だと、財政収支はなお悪化ということになる。なお、歳出の中には物価に連動して増大する性格のものが含まれているので、そのことを考慮すると、この結論はさらに強まる。

以上の意味でデフレから脱却すると困ったことになる立場の者が、デフレ脱却を目指すと言っても、誘因両立的(incentive compatible)ではない。それゆえ、そうした言説は、信用できる確約(credible commitment)にはならない。こうした観点からは、デフレ脱却になっても困らないような財政構造にするための税制改革等に取り組むことが先決であるように思われる。

 

財務省がデフレ脱却に本気になれないのは、
インフレが進めば、国債増の利払い増に税収増が追いつけなくなるから。

彼らにデフレ脱却の仕事をさせたいなら、
インフレによって財政がラクになるような方向へ税制を改革させるように取り組むべき、という話。

ふむふむ。

Gucci Post : ぐっちーさんの金持ちまっしぐら : うれしい悲鳴。とともに日本の財政

これは財政学の基本中の基本でして、国の借金はサステイナビリティーによって支えられていることによります。

日本の借金が30%以上外国に賄われるようになるとサステイナブルではないと判断されます。

そして、更に国家財政は家計と違って元本返済能力によってサステイナビリティーを判断しないのです。え、なぜかって??

これは世界的常識なのですが、財務省が国家財政を家計に例えるというインチキをするものでみんなが騙される。

その財務省が反対に日本が格下げされる、というときには日本は健全だと反論するんだから笑ってしまうでしょ??


それは国だからなんです。元本を返さなくても金利返済能力があるなら国は残る、と考える訳。

これは経済学ではいろはの「い」。

金利返済能力によってサステイナビリティーを測るのです。

日本国債の増発は、日本国民によって吸収されている限りは国家破綻に結びついたりはしない、という話。

ただ、国富は無限大ではないので、
そのうち海外の投資家に日本国債の購入を頼むようになる。
海外の投資家は日本国民と違って、相応の利回りを要求するので、
国債の利払い負担が一気に増大する。

現状のように税収<国債の状況が続く限り、
結局は、そこに行き着く。

日本経済を復活させるプランが見えてこないから、不安になるんだよね。

牛さん熊さんブログ : 「日銀頼みのデフレ対応のリスク」

政府の発行した国債を日銀が直接引き受けるのは、財政法の第五条にもあるように禁じられている。「すべて公債の発行については日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない」とある。これは戦前の日銀の国債引受が戦費調達等により財政支出の無制限な膨張につながり戦後のハイパーインフレを導いたことが教訓となっている。ニ・ニ六事件では日銀の国債引受を実行しながら、それに歯止を掛けようとした高橋是清蔵相が暗殺された。日銀による国債の直接引き受けはまさに「禁じ手」なのである。

国債の買い入れに対する日銀のトラウマ。

ビジネス百科 | 景気対策のウルトラC?無利子非課税国債とは|企業・個人のお客様|税理士・会計事務所をお探しなら、ゆびすいへ

「無利子非課税国債」なるものを発行するというものです。
現在検討されている「無利子非課税国債」とは、本来つくはずの利息が全くつかない、その変わりにその国債に対しての相続税を非課税にしますよ、というものです。相続税の最高税率は現在50%ですので、例えば2億円でこの国債を買うことで、相続税が最大1億円減額される計算になります。

この手の政策に対する反論として「金持ち優遇」という論旨があるが、

現在すでに日本の相続税は、課税対象が5%程度の緩い税になっているので、
この手の政策を、選挙対策的に繰り出す動機は政府側にはないだろう。
また、これは将来の税収の先食いなので、財務省的にも相続税を素直に強化するほうがいいはず。

で、ありながら、こういう政策が出るのは、
「将来の相続税収を待っていられない」という、お財布事情が影響しているのだろう。

むりくり、ポジティブに考えれば、

「あなたが持っていてもどうせ使わないんだから、国が代わりに使ってあげますよ」

ということで、景気回復のプラスに寄与する……のかもしれないが、 
私は基本的に「民間よりも政府のほうが賢い」とは思っていないので、
効率の悪い無駄使いに終わるんじゃないかと考えてしまう。

牛さん熊さんブログ : 「政府部門の正味資産が初のマイナスに」

 内閣府の国民経済計算確報によると、国と地方に社会保障基金を合わせた政府部門の資産は2008年末で前年末比約33兆円減の約995兆円と、統計をさかのぼることができる1969年以降で初めて減少した。

 また、負債残高は前年比約16兆円増の約984兆円と過去最大を更新し、この結果、2008年末の正味資産は前年末から50兆円近く減り、わずかに11兆8031億円しかなかった。

 社会保障基金の資産取り崩しが拡大傾向にあることで2009年度の資産残高の減少は続くとみられる。また、国債増発により国だけでも約25兆円の負債が増加するため、負債総額は1000兆円を超える見通しとなっている。

 このため、2009年末で政府部門の正味資産がマイナスに転じたのはほぼ確実となり、民間企業ならば債務超過の状況となる。正味資産がマイナスに転じるのも1969年の統計開始以来初めてとなる。

政府の資産が「やっと」マイナスになった。
日本は他の先進国よりも国の資産が大きかったので、債務超過に陥るまでに時間がかかった。
また一段階、国債発散のリスクが高まった。