【米経済コラム】「二番底」論者はイールドカーブに学べ-C・ボーム - Bloomberg.co.jp

長期金利を低下させて長短金利の格差を圧縮することが景気の刺激につながると考える人がいるとしたら、考え直すことをお勧めする。急こう配のイールドカーブ(長短金利差が大幅な状態)こそ、現在の景気を最も力強く支えている要因だからだ。

もちろん2つの金利を結んだだけの線に特別な力があるわけではない。それでもイールドカーブは恐らく、景気サイクルの最良の先行指標なのだ。

FRBがイールドカーブを操作する必要なはい。短期金利をゼロに保つことは、それに伴うリスクはもちろんある。それでもFRBはそうすることでリセッション(景気後退)の再来を全力で阻止しているのだ。

なぜそう言えるのか。レンセラー工学大学(ニューヨーク州)の経済学教授アーテュロ・エストレラ氏は、名目のイールドカーブについて、短期金利がゼロの場合、リセッションの先行指標となる「逆イールド」(短期金利が長期金利を上回る状態)になることは決してないと指摘する。

過去のケース

では、名目長期金利がゼロを下回ることがないというだけで、米国がリセッションに陥ることはないと言い切れるのだろうか?

エストレラ氏によると、1967年以降の計7回のリセッションでは、それに先立ち必ずイールドカーブが逆イールドとなった。逆イールドの出現からリセッション入りまでに要した期間は3-18カ月。直近の例では2006年7月に逆イールドが出現。景気サイクルの公式判定機関である全米経済研究所(NBER)によると、リセッション入りしたのは07年12月だった。

平時なら、300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達している現在の長短金利差は、かなり景気刺激的といえる。銀行はほぼコストゼロで資金を借り入れ、米国債を購入し、金利差を利益として享受できる。信用リスクはまったくない。純利益の増加に直結するため、資本構成が改善し、銀行は融資に前向きになる。

銀行批判は的外れ

ただ現在は平時ではない。銀行は貸し出しができないか、または消極的だ。恐らく商業用不動産ローンの損失見込みが足かせとなっているのだろう。融資需要も引き続き弱い。FRBによると、商業銀行の融資・リース額は1年4カ月連続で減少。銀行の米国債保有が着実に増えたのとは対照的だ。

民間セクターへの貸し出しをせずに、収益性の高い「カーブトレード」に力を注いでいると銀行を批判するのは的外れだ。経済がリセッションに陥ればFRBは短期金利を引き下げ、イールドカーブの傾斜がきつくなる。民間セクターの融資需要は弱いが、政府の需要は強い。銀行は喜んで政府に融資する。このお金がマネーサプライを拡大し、短期的に需要を刺激する。

このように、現在のサイクルは1990年のリセッション後の状況に似てきている。当時、銀行は商業用不動産の損失を抱えており、バランスシートを拡大することができなかった。

足元がふらつく景気回復を心配するならば、FRBにできる最善策は政策金利をゼロに維持することだ。景気を動かそうという時、短期金利はより強力な手段だ。

景気減速はイエス。リセッションはノー。これがイールドカーブからのメッセージだ。

  • 過去のリセッションでは、必ず逆イールドが出現している。すなわち逆イールドを出現させなければ、リセッションに陥る可能性は低い
  • 景気を動かしたいなら、短期金利を下げるのは協力な手段
  • カーブトレードで銀行の収益は回復する。民間の資金需要は少ないので、民間セクターへお金が回らないことも、大きな問題とはならない。

イールドカーブは形を変えて、今も通用する、という話

円高雑感 - Baatarismの溜息通信

実は為替介入に使う円を調達する方法が、2000年以降は変更されています。円を調達するには「為券(ためけん)」といわれる政府短期証券(国債の一種)を発行するわけですが、1999年まではこれを日銀が直接引き受けていました。そのため、介入で売られた円を日銀が吸収しなければ(非不胎化すれば)、そのまま金融緩和になりました。

しかし、2000年以降、政府短期証券は市場で販売するようになりました。つまり介入で売られた円は元々市場から調達されたものですから、円を市場に放置しても市場のマネーは増えず、金融緩和になりません。

だから、「日銀は、15日の外為市場で実施した円売り/ドル買い介入で供給した資金を吸収せず非不胎化する方向」という言い方は、1999年までなら正しかったのですが、2000年以降は間違った言い方になります。

この話を、経済学者の高橋洋一氏が簡潔にまとめています。結局、今回の為替介入が円高阻止に繋がるかどうかは、日銀が金融緩和しているかどうかにかかっていて、金融緩和がないのであれば、介入の効果は一時的なものに終わるでしょう。

現在の日銀の為替介入方法では、非不胎化にはならない、という話。

Globalization is not a choice but a fact - 西尾泰和のはてなダイアリー

タイトルの「Globalization is not a choice but a fact(グローバリゼーションは選択肢ではなく、事実だ)」ってのはライス国務長官のダボス会議での発言なわけだが、かなり端的にグローバリゼーションに対する誤解を言い当てている。グローバリゼーションとは、インターネットの発明と、特にeコマースの発明が引き起こした社会構造の変化なんだ。つまりfactだ。個別の企業がグローバリゼーションを選択するとかしないとか言えるような選択肢ではない。

例を上げて説明しよう。たとえばあなたが食器メーカーで、今まで近くの飲食店に食器を卸してぼちぼちの利益をあげてたとする。別にグローバリゼーションなんか自分に関係ないし、今まで通りでいいや、と思っていたとする。しかしもしかするといま自分の顧客のカフェ店主はインターネットで北欧の聞いたこともないメーカーの食器を見て「こっちの方がいいな」と思っているかも知れない。毎年安定していた売上が、来年はいきなり半減するかも知れない。これがグローバリゼーションだ。あなたが「グローバリゼーションなんかしなくていいや」などと言って対策を取らないでいる間に世界の何処かの競合他社がコマを進めているかもしれない。あなたが何もしなくても、グローバリゼーションは止まらない。あなたが何もしないことで変化が止まるのではなく、あなたが変化に取り残されるだけだ。生命の歴史において、生き残るって来たのは一番強い生物ではない、一番変化に適応できた生物だ。変化に適応できなければティラノサウルスでも絶滅するんだ。

変化に適応できなければ、どんなに強かった生き物でも絶滅する。

中岡望の目からウロコのアメリカ » 財政赤字問題:アメリカは第2のギリシャになるか

アメリカとギリシャの大きな違いは、アメリカはドル、すなわち自国の通貨で資金を調達しているのに対して、ギリシャは同じドルですが、他国の通貨で資金を調達していることです。ギリシャが資金を返済するにはドル資金を調達する必要があります。しかし、アメリカは極論すれば、インフレを引き起こせれば、債務者利得を労せずして手に入れることができるのです。基本的にアメリカには流動性の問題はないのです。ただ、財務省証券に対する投資家の信頼が低下すれば、金利派上昇するという市場メカニズムは働きます。その意味で、アメリカはいつも自由であるというわけではありません。

基軸通貨を持っていることの最大のメリット。

中国は最終的にココを目指すだろう、と思った。

池田信夫 blog : 「強い社会保障」より「効率的な社会保障」を

いま必要なのは「強い社会保障」などという無内容な政治的スローガンではなく、効率的な社会保障である。日本の移転給付(広義の社会保障)は年間約100兆円だが、そのうち53兆円が年金で、一般会計のうち17兆円が老人福祉。つまり社会保障費の7割が老人のために使われているのだ。このように老人に片寄った社会保障を行なっている国は少ない。

上の図(社会データ実録)はアゴラの記事のコメントで教えてもらったものだが、日本の子ども向け支出/老人向け支出の比率は先進国で最低で、ギリシャやイタリアと同類だ。そして出生率が低いのも、こうした老人バイアスと相関がある。金融資産の2/3をもつ老人に若年層から所得移転を行なうことは、逆所得分配になっている。

子ども手当よりも、
老人手当のほうが日本の財政をむしばんでいるという話。

共産党という名の貧困ビジネス - Joe's Labo

逆だ。
「日本の税率が高いから、低い国に必要以上に事業が移転している」
と言うべきだ。

それから内部留保についても補足しておこう。
何度も述べてきたように、内部留保というのは設備投資などが中心で、それだけの現金預金
を貯め込んでいるわけではない。
赤旗は「製造業は有価証券を66兆も持っているじゃないか」と言っているが、だったら
150兆円以上ある製造業の流動負債についても言及すべきだろう。

ついでに言っておくと、有価証券への投資が増えたのは、日本国内が低金利なので金を
借りつつ、海外での利益はそのまま海外に投資したためだ。大手ならどこだってやっている
話である。

要するに、共産党の主張というのは単なるいちゃもんレベルであり、
「おたくの冷蔵庫に足ぶつけたから金払え」と言ってメーカーに電話かけて来る人々と
同じである。かつての社会科学は、いったいいつから会社ゴロになり下がったのか。

さて、世の中には貧困ビジネスという商売がある。生活保護者をタコ部屋に入れて支給額の
過半をピンハネするような悪質事業者のことだ。
とはいえ、上記のような生活保護ピンハネ業者にしても、弱者の手元にはとりあえず
「屋根つきの宿舎」というメリットは(多少なりとも)残されている。

一方、日本共産党を信じて付いて行った弱者の手には、何が残されただろうか。

「大企業は内部留保があるから、全員正規雇用が可能なんですよ。だから派遣は規制しましょうね」
こう言う主張を信じて、雨の中デモまでやった人達は、何かを手にしたのだろうか。
ありもしないモノがあるのだと言われ、言いように連れ回されたあげく、
むしろ問題解決 からは遠ざかっただけではないのか。

共産党が本当に労働者のための政党なら、
周辺国から「日本は近隣窮乏化政策をとっている」と言われるぐらい、
円を安くしたり、企業を甘やかすべきだ、という話。
海外の企業すら「アジアの拠点を日本に置こう」と思うぐらいに徹底すれば、
派遣を禁止するより、はるかに意味のある雇用が発生するだろう、と。

日本の大不況の真実と重要性 by Adam Posen · 道草

実は日本は数多くの構造的な強さを持っていて、不況を回避することが可能であった。特に、財政政策の余地があった。デフレが持続した時に日本の金融システムと企業のガバナンスの脆弱性がこれらの余地を相殺してしまった。

金融危機から発生した不況への対抗策として、
バブル崩壊後の日本を研究したアダム氏のレポート。

当時の日本と現在のイギリスを比較すると、イギリスのほうが危機的状況にある……という話だが、裏を返せば、日本の失われたx年は、2003年ごろに終わらせることが可能だったとアダム氏は言っている。

世代間格差と世代内格差 - DeLTA Function

年間収入のジニ係数(この数値が大きいほど格差も大きい)を見てみましょう。高齢になるほど世代内格差が大きいことが分かります。これは有業者か否か、または厚生年金の比例報酬部分及び企業年金の違いが大きいということでしょう。一方、1999年との推移で見ると、65歳以上の世代では格差が縮小する傾向にありますが、それ以下の世代では収入格差が拡大しています。特に30歳未満の世代の収入格差が大きくなっていることが見て取れます。

以上を総合しますと、バブル崩壊後の長期不況の痛手は若い世代に集中し、高齢者世代はそれほど痛みを受けていないということが分かります。世代間格差の是正を謳うならば、年金制度等の議論よりもまずデフレ脱却策を議論すべきです。

所得税を取れない層から財源を取る=消費税という言説があるが、
正確には、
所得はないが資産を持つ層から財源を取る、であるべきだろう。

つまり、資産課税の文脈で(現実的には相続税100%なんて無理だから、弱めの資産課税として)、消費税を考えてみる。

池田信夫 blog : 消費税の増税は世代間の不公平是正に必要だ

このように貧しい若者から豊かな老人に一人あたり数千万円も再分配する世代間で超逆進的な税・年金システムを放置したまま、消費税のわずかな逆進性を議論するのはナンセンスである。所得税を払わない年金生活者が激増する高齢化社会では、彼らにも負担を求める消費税は世代間の不公平是正のために必要であり、基礎年金の財源に充当して年金財政を安定させるためにも必要だ。そして若者の負担を軽減することは、日本経済が活力を取り戻すためにも不可欠である。

見えない形で徴収されている若者税を是正するためなら、
消費税増税も有りなのでは、という話。

「冷たい福祉国家」の幻想: EU労働法政策雑記帳

武器も持たずに「てめえの顔なんか見たくもないが、さっさと金をよこしやがれ、この野郎!」といわれて、喜び勇んでお金を差し上げる奇特な人はそうそう世の中にいないということ。

福祉国家を築くには、まず共同体の形成が必要だということ。

福祉国家のモデルとされる北欧が人口の少ない国家であるということにも理由があるのかもしれない。
日本で福祉国家を実現するなら、地方~都会、老人~若者の紐帯を深めるところから。