「需要統御理論」 簡単解説

結局、景気を回復するには、需要をコントロールするのが大事だ、ということですか?
そうです。
( ※ 供給能率の改善は、長期的な効果を狙って実行するものです。景気とは関係ありません。)

需要をコントロールと言いますが、ケインズも同じことを言っていたのでは?
ケインズもまた、不況のときは需要を増やそうとしました。しかし、その需要は、「官需」(公共事業)でした。「需要統御理論」で増やそうとするのは、「民需」(個人消費)です。ここがケインズとは決定的に異なります。

ケインズのやり方でも、効果があるのでは?
効果はあります。ただ、それが足りるかどうかが、問題です。
小さな不況[景気後退]のときには、効果は十分です。(成功の実例多数。)
しかし、大幅な不況には、効果がまったく不足します。たとえば、需要が100兆円も縮小したとき、公共事業をさらに追加しようとしても、せいぜい 10兆円ぐらいしか追加できない(建設業界に追加の受け入れ能力がない)ので、ひどく縮小した需要を埋めるには力不足です。公共事業なんかでは全然足りないのです。 (失敗の実例多数。ニューディール政策や、バブル破裂後の日本など。)
ケインズのやり方で、官需を大幅に増やすとしたら、公共事業以外のものが必要となります。それは何か? 戦争です。戦争では、建設業に限らず多くの産業に支出がなされるので、大規模な支出が可能となり、官需を急速に増やすことができます。
結局、ケインズのやり方(官需増大)を取る限り、「戦争をするか、景気回復を諦めるか」の、二者択一となります。(大幅な不況のときには

現代日本においては、官需ではなく、民需を喚起する方法でなければ、大不況の克服はかなわない。