【正論】慶応大学教授・竹中平蔵 郵政「改悪」で国民負担年2兆円 - MSN産経ニュース
郵政には毎年2兆円の実質負担が発生することになる。
2005年の民営化決定にあたって、当時の政府は「骨格経営試算」なるものを作成し、国会にも提出した。それによると、民営化によって金融面の「信用リスク・ビジネス」など新規業務を展開すれば、そうでない場合に比べて約1兆円の利益が得られることが示されている。しかし、実質国有企業ではこうしたリスクを取ることは不可能になる。今回の措置で年間1兆円の利益が失われることになる。また、約10万人を正規雇用に振りかえる措置によって、3千億円程度の負担増が見込まれる。これを合わせると、年間1兆3千億円の国民負担増だ。
さらに、現状でも日本の郵便料金はアメリカの2倍強の水準である。合理化が遅れ生産性が低いために高料金となっている。民営化によるガバナンス強化でコストを削減することが期待されたが、期待利益はこの先も実現されないだろう。郵便の総収入から判断して、国民は年間約7千億円の高いコストを払い続けることになる。
郵政のために年間2兆円の負担を是とするか、という話。